月別アーカイブ: 2013年6月

練墨を使ったことありますか?

「練墨の使い方が分からない」というお問い合わせがありましたので、動画を製作しました。

固形墨や墨液は分かるけれど、練墨は使い方の説明が無いとよく分からないというお声が意外に多くありました。
詳しくは以下の動画でご覧ください。メチャクチャ簡単です。

練墨の最大の特徴は、「扱いやすさ」です。
水にとけやすく、乾きが早い、寒冷地や冬期でも問題なくお使いいただけます。

海外のお客様には、墨液よりも軽い練墨が好評です。(重さに応じて送料が変わるので)

練墨で書いた作品は表装も可能ですが、出来れば4~5日乾燥させてから表具してください。
原液に近い濃度では表具できませんので注意が必要です。

練墨によっては淡墨作品に向く商品と不向きの商品がありますので、商品や購入先の店員さんに確認することをおすすめします。



書道筆と画筆の違い

書道筆には書道筆の、画筆には画筆の特徴があります。

画筆は線よりも面を描くことが多く、色を塗ったりするのでそれを描くのに適したつくりをしています。
平筆が多いのもそのためです。

油絵用の筆は油絵具が重いので、超剛毛の豚毛が多いようです。

面相筆など繊細な線を描くためにつくられた絵筆は、書道の筆としても充分お使いいただけます。

気になる筆があれば是非チャレンジしてみてください。
それも筆選びの楽しみにつながると思います。
書道筆



篆刻字林・三圭社さんからの電話

昨日、篆刻字林を出版されている三圭社さんからお電話を頂戴しました。

実はお電話をいただく心当たりがありました。
最近、篆刻字林を立読み風にペラペラめくって、お客様に字典の中身を見ていただく動画を撮影し、ネット上で公開したのですが、
「きっとそれに対する抗議や!」
そう思いました。

少しビクつきながらも電話に出ると、

お叱りどころか、その企画に対して賛同いただき、お褒めの言葉まで頂戴してビックリ。
その後、これからの書道や篆刻のことについて情報交換など有意義なお話が出来ました。

田舎の小さな書道用品店に対してお心づかいをいただき、そのお人柄に感動しました。
三圭社さん、これからもよろしくお願いいたします。

動画は以下のURLからご覧いただけます。
http://youtu.be/mzWNBCzhEP4

篆刻字林



王鐸書法に興味のある方へ

王鐸唐詩六種手巻

王鐸書法の新資料です。

本巻子はもともと長尾雨山蔵であったのが日本に入ったものですが、先日オークションで中国の方が落札されたことをきっかけに出版が決まった本です。
釈文は中国芸術研究家・鄒濤氏、現代語訳と解説は書法漢學研究会理事長の大野修作先生です。

王鐸書法に興味のある方にはおすすめの1冊。

※よろしければ「いいね」お願いいたします^_^



書道と専門用語とサービス精神

最近、ネットニュースを見ていて共感した記事がありました。

サッカー解説者の松木安太郎氏解説の魅力について

松木氏は「普段サッカーを観ない人にもわかりやすく」をモットーとしているので極力専門用語を排し、分かりやすい別の言葉で解説します。
たとえば『ループシュート』は『ふわっとキーパーを越すようなシュート』
これなら老若男女、誰が聞いてもどんなシュートかわかります。

視聴者の気持ちを代弁するかのように、チャンスやピンチの場面になると、「おおー!」「あー!」などとテンション高く放送し、視聴者の盛り上がりを後押しします。

サッカー番組なのだからマニア向けに専門用語を多用してもいいのでは?という意見もあるでしょうが、日本代表のホーム試合はゴールデンタイムの放送であり、普段サッカーに触れることのない視聴者もいます。
松木氏なりのサービス精神で、1人でも多くサッカーファンを増やしたいという思いが込められているのではないでしょうか?

私が運営している書道専門店にはいろんなお客様がお見えになります。
数十年の書道家さんからこれから書道を始める方まで。

初心者の方にとっては、これから始めるワクワク感とともにどうしたらよいか分からない不安な気持ちが共存しているはず。
松木氏のようなサービス精神で分かりやすくお伝えし、お客様にとってよい書道の入口になれれば嬉しいです。



書道筆の値段はどう決まるか

書道筆の値段は、穂の質と量、筆管の質と大きさ、製作にかかる手間・技術料です。

穂はほぼ中国を中心とした海外からの輸入に頼っており、原毛の価格は需要と供給の市場原理で決まります。

高価な筆の代表は羊毛筆で、この羊毛は江南の山羊と言われており、中国の中でも上質です。
数が少なく希少性の高い毛でもあります。

この毛は生えている部分を10数種類に区分されます。
毛が細く、艶があり、弾力に富み、長さがある毛はほんのわずかしか採れません。

その羊が若いか年寄りかでも区別されます。

高価な筆はその毛を調達するのがたいへん困難ですので、それを知るだけでも「もっと筆を大事に使おう」と思いますね^_^

上記のことから、
「価格の高い筆」=「使いやすい筆」「よい作品が書ける」ということではないことがお分かりいただけると思います。
いや、むしろ使いにくいですよね。
高価な筆の穂は一般的に毛が細く、柔らかで、長い。
これを使いこなすには多くの経験とすぐれた技術を必要とします。

それでもその筆でないと出せない線があり、書道家さんの探究心が刺激されるんですね。
書道筆

 

 



ご意見をお聞かせください

インターネットで書道資料を購入する際、中を見たいと思うことありませんか?

アマゾンさんでは一部ページを公開するという画期的なことをされていますが、それでもよく分からないことがあると思うんです。

そこで今回、本屋さんで立ち読みしている感覚で書道資料の中を確認いただけるよう、こんな動画をつくってみました。

はじめてのことなので、是非ご感想をいただいて今後の修正に活かしたいと思っておりますので、
「いいね」や「コメント」でご意見をいただけると嬉しいです。
※映像のクオリティーは低いです(苦笑)

販売ページではこのように表示されます
篆刻字典「篆刻字林」
http://tenkokuya.ocnk.net/product/79



墨液の保存どうされてますか?

墨液に関してこんな質問をされることがあります。

「墨液はどれくらいもちますか?」

開封前の墨液の保管期限は、

ニカワ系墨液2年以内、合成糊系墨液5年以内、濃墨~超濃墨液は3~4年です。
例) にかわ系墨液「書芸呉竹 呉竹」 合成糊系「玄宗 墨運堂」

開封後の期限は特に無いですが、なるべく早くお使いいただき、出来れば冷蔵保存してください。
冬場は固まる場合がありますので、常温に戻してからお使いください。

墨液を長い間放っておくと腐ることがあるんです。
これは墨の製造過程でススと一緒に練られるニカワが原因です。
ニカワは牛やシカ、動物の皮や骨などを煮て乾燥させたもので、腐敗には強くありません。

使いかけの墨液に関しては、
気温にもよりますが、数日であればフタが付いている硯や墨池に入れておけば大丈夫です。
しっかり密閉して冷蔵庫に保管しておけば数週間保存可能です。

こうして保管した墨を宿墨と言います。

宿墨はあまり良いこととされていませんが、意図的にこれを使う方もおられます。
面白いにじみが出ることがあるそうです。
興味がある方は試してみてください。



中国の筆と日本の筆の違い

筆の歴史から見れば、日本の筆は中国の筆を真似たものと言えますが、その過程で日本の筆も独自に発展しています。

中国と日本の筆を比較した場合、日本製の筆の方が仕事は丁寧です。
その大きな違いは命毛の出し方が違うといわれており、先端の揃い方は日本の方が鋭いです。

他方、中国の筆の優位性として安さは外せません。
現在、中国から大量の筆が輸入され、日本の筆より安く売られています。
特徴としては、中国産の小筆には兎(うさぎ)毛が使われていますが、日本には兎毛が輸入されていないので、日本産に兎毛のものはありません。
「写巻」「双料写巻」など筆先の弾力が強いのは兎毛によるものです。

それぞれの筆にファンは存在しますので、広く使っていただいて、良さを体験してください。
筆は見ただけでは書き心地は分かりませんし、手作りですので、同じ筆でも微妙に感覚が違うことがあります。
あまりに出来が悪いと困りますが、違いを楽しむことも筆を使うことの面白さではないでしょうか。

※ちなみに中国には「かな」がないので、中国産のかな筆はありません。

書道筆



筆の寿命について

筆の穂はほとんどが獣の毛のため、使い方と保存の仕方によってその寿命は大きく変わります。

前回のブログでもご紹介しましたが、腐らせないこと、虫にやられないことが必要です。

筆の種類によっても様々ですね。
筆の穂先が剛いもので、毛の本数が少ない場合(たとえばかなの細字に適した筆など)は傷みを早く感じると思います。
特に表面がザラザラしている加工紙ですと、余計に早く筆先がへって、繊細な線を書き続けることはできません。

これに対して羊毛の長鋒は、1本の筆に多量の毛が使われています。
小筆と同じ数の字数を書いたとしても、1本の毛に対してのダメージは少ないと思います。
加えて書道用紙は柔らかい画仙紙を使う場合が多く、摩擦による傷みは少ないです。
数十万円する羊毛筆は一生ものだと言われますが、長鋒の筆が一般的ですので、1cmすりへったとしてもそれなりに使えます。

そういう意味では多少チビた筆でも使い方によって面白い作品が書けるので、穂先が抜け落ちるのが寿命となるのかもしれません。

※よろしければ「いいね」お願いいたします^_^