月別アーカイブ: 2013年12月

最澄の書

久隔帖は813年に京都の高雄山寺の空海のもとで修行している弟子泰範(たいはん)に宛てた手紙です。

空海から贈られた詩に対して和詩を返すにあたり、その詩序中の「一百廿禮仏并方圓圖并註義」という本の名に関して、おおよその趣旨などを教えてほしいと申し送っています。
また、追書に、最近「法花梵本一巻」を手に入れたので、空海に見ていただきたいと申し添えています。

泰範に宛てていますが、その内容から泰範を介して空海へ取り次ぎを依頼した手紙です。

最澄が47歳の頃の筆跡で、現存する最澄による唯一の手紙です。

その書風は、書聖と呼ばれる東晋の王羲之の「集字聖教序しゅうじしょうきょうのじょ」と似ており、王羲之の書法を模範としていたことがうかがえます。

また、その格調の高さと美しい筆致は最澄独自のもので、天台宗の開祖として知られる最澄の人となりを感じることができます。

ちなみに久隔帖の名は、手紙の書き出し「久隔清音・・・・・」をとったものです。



空海の書

空海は少年時代に王義之の書法を学び、入唐してからは当時流行していた顔真卿(がんしんけい)の書風も学んだようです。
彼の能筆は中国でも名高く、欧陽詢の真跡、八分書、鳥獣飛白書など数多くの書跡を携えて帰朝しました。
日本における芸術としての書は、空海にはじまるといっても差しつかえないでしょう。
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細字とは

文字の草創期から現在に至るまで、書道の流れをみますと、それぞれの時代に応じた変遷がありながら、今の世にその美的な姿をとどめています。

はじまりは王室が占卜に用いるための亀甲・獣骨文、また神器に彫られた金文、あるいは石文、下って竹簡、木簡、帛書という経緯があって、筆・墨・紙を使用する今日と大体同じような用具による書が行われます。
その後、王義之が現れて書道が芸術性を深め、
さまざまな法帖類(手本集)が出て、伝統面も培われ、体系化され特有の芸術として発展します。
これらが書道の世界で「古典」と呼ばれますが、このほとんどが「細字」と呼ばれるものです。

「細字」という言葉は、「小字」と同じ意味で文字が小さいから必然的に線が細くなる、ということを指したものです。
大字、中字、小字と呼んでいますが、どの大きさをもって「細字」とするかは判然としません。
サイズの問題ではなく、ひとつの目安として机上で手軽に書くことのできる小さな文字というふうに考えてよいと思います。

ちなみに細字主流の古典とは反対に、最近は「少字数」が盛んに行われています。
1字が1メートル以上のものも多く、このような大作は迫力があって壮観です。



はじめて写経をする方へ

はじめて写経される場合、般若心経で1時間くらいかかると思います。
慣れると30~40分くらいでしょうか。
それだけの時間を要しますので、継続するのはなかなか大変です。
ご自分に合うやり方ではじめてください。
義務的に感じたら辛くなるので適度に休憩を加えながら、自分が集中できる環境を保つということは必要になってくると思います。
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