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黄州寒食詩巻 蘇軾

まず蘇軾について
眉川眉山の人で、号は東披(とうば)
宋代の代表的な政治家、文学者、書道家としても著名な宋の四大家の1人です。

蘇軾は45歳のときに宰相・王安石の新法に反対して、黄州に左遷されます。
そして60歳過ぎには海南島まで追放されます。
やっと都に戻れることになった帰路、病のために66歳で亡くなります。
官界では不運の人でしたが、文学や芸術では名声を得ました。

この書は澄心堂紙に濃墨を使い、自詠の五言古詩2首で黄州に赴任して3年目に書かれた作品です。

意訳

黄州に来て3年目の寒食節を迎える。
毎年春を去るのを惜しむのに、春は容赦なく過ぎ去っていく。
今年は長雨にも苦しめられ、秋を思わせる寒い日ばかりだった。
海棠の花の香りも燕色の花が散って泥にまみれている。
暗い夜が春を連れ去ってしまった。
病が癒えたら、頭が白髪になってしまったようなものだ。
春の岸辺から水が押し寄せているが、雨は一向に止む気配がない。
小屋は漁船の如く、水煙の中で漂っている。
台所で野菜を煮ようと、湿った葦をくべてかまどを起こす。
今日は何の日か、鳥が紙をくわえているのを見て寒食節だと知った。
朝廷に帰りたいが、余りにも敷居が高く、故郷も万里の彼方。
阮籍の作品を学びたいが、心は灰のようにやるせない。
黄州寒食詩巻 蘇軾