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戦後書道を救った書家

大分県内の書家らが毛筆習字の必修化を当時の参院議長に訴えた請願書が見つかりました。

終戦後、GHQによる占領期に書道は危機的な状況にありました。
戦時中必修だった書道は、戦後になって「実用的でない」「日常的に使われていない毛筆を必修とするのは困難」「軍国主義の温床」としてGHQから指摘を受けたのです。

この意向を受けた文部省(当時)は、1947年の学校教育法制定に伴って作成された学習指導要領の小学校の必修教科に、書道を盛り込みませんでした。

これに対抗して書家の豊道春海らが中心となり、書道の必修化を求める活動を始めます。

全国から多くの請願・陳情が国会に出され、政界も巻き込んだ運動に発展、書道は51年に国語科の中で復活にこぎつけました。

今回見つかったのは運動が活発化した48年初め、大分県別府市や大分市、現在の国東市の書家らが当時の参院議長宛てに、毛筆でしたためたB5サイズの請願書2通の控え。

請願書は、書道が必修から外されたことで「児童の書写能力は大いに減退し、文字は乱雑になった」と指摘。
さらに「習字は思想の善導、人心の浄化に肝要」 と実用性以外の教育的な意義もあると説明し、「国民生活を充実させることを目的とするもの」と書道教育の復活を訴えています。