篆刻の側款について

書道
投稿日:2014年10月23日

側款とは、簡単に言うと篆刻で印材の側面に刻まれた作者の署名のことです。

側款を刻するようになったのはいつ頃からはじまったのかはよく分かっていませんが、文人趣味、篆刻作品を芸術としてとらえる意識が出来てからのことと考えられています。
時代としては、篆刻が頻繁に行われるようになった明時代。

はじめの頃は自分の刻であることをあらわすために姓名程度の簡単なものが、制作日、場所、印を依頼した人の名・号、目的など次第に文字数が増えるようになりました。
特に明確な定義はなく、趙之謙のように文字と肖形を風雅なおもむきに富んだ形で組合わせ、独自の側款を考える人もいました。
※一般的には制作者の名・号のみが一般的

誰かに贈ったり、依頼されたりする場合、相手のために刻ることになるわけですが、相手との関係性や刻る理由、いかに喜んでもらえる印を刻るかなどを考慮すれば、側款をより豊かな内容にすることが出来る可能性があります。
側款を自分流にアレンジすれば楽しみが増えるのではないでしょうか。
側款