中国筆のおはなし

書道
投稿日:2013年10月9日

「昔の中国筆は良かった」とよく耳にします。
これは1965年以前の筆の話です。

中国には「徽墨・湖筆」という言葉があります。
徽州(安徽省)の墨と湖州(浙江省)の筆を讃えた言葉で、それほど徽墨の墨と湖州の筆は素晴らしく有名だったのです。

しかし、1965年文化人の批判にはじまった文化大革命をキッカケとして、のれんをおろさなければいけなくなりました。
「老文元」「李鼎和」「戴月軒」「邵芝巌」などは姿を消し、筆の軸には「上海工芸」の名前が刻まれるようになります。
「上海工芸」が一括で管轄し、それを国が管理するようになりました。
これが中国筆の質が低下したいきさつです。

文化大革命以前の名筆は、「三清書屋筆譜」という筆の写真集でご覧いただけます。