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最澄の書

久隔帖は813年に京都の高雄山寺の空海のもとで修行している弟子泰範(たいはん)に宛てた手紙です。

空海から贈られた詩に対して和詩を返すにあたり、その詩序中の「一百廿禮仏并方圓圖并註義」という本の名に関して、おおよその趣旨などを教えてほしいと申し送っています。
また、追書に、最近「法花梵本一巻」を手に入れたので、空海に見ていただきたいと申し添えています。

泰範に宛てていますが、その内容から泰範を介して空海へ取り次ぎを依頼した手紙です。

最澄が47歳の頃の筆跡で、現存する最澄による唯一の手紙です。

その書風は、書聖と呼ばれる東晋の王羲之の「集字聖教序しゅうじしょうきょうのじょ」と似ており、王羲之の書法を模範としていたことがうかがえます。

また、その格調の高さと美しい筆致は最澄独自のもので、天台宗の開祖として知られる最澄の人となりを感じることができます。

ちなみに久隔帖の名は、手紙の書き出し「久隔清音・・・・・」をとったものです。