書道用品専門店大阪教材社の書道コラム

書道用品専門店がお送りする書道の読みもの

筆のお手入れ方法

書道の楽しさと筆の状態

筆を買って書道を始めて、始めの方はスラスラ思い通りに文字が書けて楽しい。 けれど、使用回数を重ねるうちに筆が硬くなり、思うように字が書けなくなってきた…書道の楽しさが失われるピンチです!

筆は書をしたためる上で欠かせない道具であり、書く人の心を文字に写してくれる大切な相棒です。 心穏やかでも、筆のせいで文字が乱れるのはもったいない。そうならないために、このページでは筆の正しいメンテナンス方法をお伝えいたします。

書道用品専門店の大阪教材社で取り扱っている様々な書道筆
書道用品専門店の大阪教材社で取り扱っている様々な書道筆_タブレット用
書道用品専門店の大阪教材社で取り扱っている様々な書道筆_スマートフォン用

筆が固まる原因は…

墨の原材料には「膠(にかわ)」というゼラチン状のものが含まれています。 すすと水を繋ぎ、すすを紙に乗せる糊の役割を果たしてくれているのですが、これが穂先がカチカチに固まる原因でもあります。 膠が固まらないように、筆は使うたびにきちんと洗いましょう。

大筆のメンテナンス方法

使用後はなるべく早く、流水で墨が出なくなるまで洗ってください。 大筆の場合によく見かけるケースとしては、穂先だけがきれいに洗われていて、根元が球根にように膨らんでいる状態です。 これは筆の根元に膠が固まって起こる現状で、このままでは筆先全体を使って文字を書くことができません。 穂先だけではなく根元もしっかりともみ洗いをしましょう。

洗い終わったら、風通しの良い日陰に吊るして干します。 これにより根元に溜まっていた墨が降りてくるので、翌日もう一度水洗いしてください。 その後また日陰で3日ほど吊り干しして、完了です。

小筆のメンテナンス方法

一方、名前などを書く際に用いる小筆は大筆とは異なり、筆先全体を使うと文字が書きにくくなります。 糊固めしている部分を残すために筆をおろす際は穂先の半分から2/3までに留め、使用後は水洗いをせず、書き損じた半紙で墨を拭き取ってください。 逆に筆のおろす部分が短いと書くときの摩擦が強くなるため、毛が劣化する原因となります。穂先をおろすときは気をつけましょう!

大筆のメンテナンスは特に手間がかかりますが、書道が楽しくなればなるほど、筆にも愛着が増していきます。 相棒としてながく使えるよう、墨に浸かった筆を労ってあげてくださいね。