継色紙の魅力とは?平安のかなが見せる「余白の美」を味わう
今回のテーマは、「継色紙」です。
継色紙の魅力は、どんな点にあるのでしょうか。
継色紙とは?かな書道の古典中の古典
「三色紙」のひとつ
継色紙は、升色紙・寸松庵色紙と並んで「三色紙」と呼ばれる、平安時代の古筆です。和歌を書き写した料紙が、現在は一枚ずつ切り離され、掛け軸や手鑑(てかがみ)などに仕立てられて伝わっています。
名前の由来は諸説あり
「継」の字の由来には複数の説があり、私の知る範囲では決着していません。書き手についても、伝承では小野道風とされますが、確かなことは分かっていません。ここは断定せず、「謎が残る」と受け止めておくのが誠実だと思います。
継色紙の魅力① 行が傾き、字が踊る
最初に目を奪われるのは、行の流れでしょう。
整然と並べない。字の大きさもバラバラ。それなのに、全体はふわりとまとまっています。墨をたっぷり含んだ太い線の直後に、かすれ気味の細い線が来る。この緩急が、紙の上にリズムを生んでいるのです。
継色紙の魅力② 余白が主役になる
継色紙を見ていると、「書いていない部分」に目が吸い寄せられます。
字と字の間、行と行の間。そこに流れる空気まで含めて一つの作品、という感覚です。現代の私たちは、つい紙面を埋めたくなりますよね。でも古人は違った。あえて空けることで、歌の余韻を残したのだと思います。
継色紙の魅力③ 連綿が生む、息づかい
かなの連綿(字をつなげて書くこと)は、継色紙の大きな見どころです。
筆が紙から離れそうで離れない。その細い糸のような線が、次の字へするりと渡っていく。読んでいる側も、つい息を止めて見守ってしまうほどです。ここには、書き手の呼吸がそのまま残っているように感じます。
臨書するときのコツ
初心者の方向けに、実践的なポイントを三つ。
- 大きさを揃えない:整えようとすると、かえって硬くなります。
- 余白を先に意識する:書く前に、どこを空けるかを決めておくと、全体が崩れにくくなります。
- 速さより間(ま):急がず、止めるところは止める。
いきなり原寸で挑むより、まず図版を眺めて、指で空中をなぞるだけでも十分に練習になります。
実物や図版に触れるには
展覧会で出会える機会はありますが、所蔵先や展示の予定は時期によって変わります。最新情報は、各美術館の公式サイトで確認してください。私の側では、現時点の展示状況までは把握できていません。
まとめ:継色紙は「引き算の書」
継色紙の魅力は、整えすぎないこと、空けること、そして息づかいを残すことに尽きます。上手く書こうとするほど遠ざかるのに、力を抜くと少し近づける。そんな不思議な古典です。気になった方は、ぜひ図版を一枚、机の前に置いてみてください。
同じブログ内に継色紙について書いた記事が他にもあります。
よろしければコチラもチェックしてください。
「継色紙」2013年10月31日
~書道ライフを快適・豊かに~
書道専門店 大阪教材社
FAX 072-277-6301
URL http://www.osakakyouzai.com/
E-mail moriki@osakakyouzai.com







