書道筆の寿命と直し方

書道
投稿日:2020年2月20日
書道筆の寿命と直し方

今回は書道専門店のエピソードストーリーではありません。
書道筆(毛筆)の寿命について、解説の依頼を承りましたので、以下でご説明いたします。

  1. 筆の寿命
  2. 寿命を迎えた筆の特徴
  3. 筆先が割れたときは
  4. 筆が割れる原因

書道短編小説 筆の寿命と直し方篇

筆の寿命

筆は消耗品なので、残念ながら寿命はあります。

でも、お手入れを怠らなければ、(一概には言えませんが)10年くらい、またはそれ以上使える書道具です。
では、どういう状態になれば、筆の寿命なのでしょうか?

寿命を迎えた筆の特徴

まず根腐れ、
途中で筆の毛が切れてしまうというのが主な寿命の症状です。

その他、お店に来られるお客様からよくご相談を受けるのは、「筆先が割れて使えない」というものです。

この筆先が割れる原因は、製造課程によることもありますが、多くの場合は、筆の根元に墨が溜まってしまうからです。

筆先が割れたときは、どうすればよいのでしょうか?

筆先が割れたときは

書道筆の職人に依頼する

一番良いのは、書道の専門店に持ち込んで、書道筆専門の職人に修理を依頼することです。

書道筆修理の作業工程は、まず筆管から毛を全部抜き取ってしまいます。次に毛を縛っている糸を切って、毛をバラバラにし、1本1本洗います。
洗い終わったら、その毛を元の通りに仕上げ直します。

この作業には、かなりの時間と経費がかかりますが、昔の毛筆の状態に近づけることが出来ます。

時間と経費をかけられない方は、ご自分である程度なおす方法があります。

但し、そのメンテナンスの力加減によっては、使えなくなってしまう可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

割れた筆の直し方

まず40〜50度のお湯を用意し、筆をお湯に30分程つけてください。

時間が経てば、お湯から取り出します。

次に取り出した筆の穂先のハラの部分をつまんで、筆管の中心に押すように、グリグリと何度もまわします。
こうすることで、根元に溜まって固まっていた墨がほぐれます。

ほぐしたら、再びお湯につけて、筆を揺らして墨を洗い落とします。

これを数回繰り返すことで、かなり墨を除くことが出来ます。

このやり方は、特に羊毛筆に効果があり、イタチ毛や馬毛は落ちにくい傾向があります。

ある程度墨が落ちたら、余分な水分を除いて、風通しのよい日陰で筆掛けなどに吊るして干してください。

筆は、書道筆の職人さんが1本1本手作業でつくるので、同じ時期、同じ毛で同じ職人が書道筆をつくったとしても、それぞれの毛筆の出来は異なります。

1本の書道筆だけで書いていると、使用頻度が高いため、消耗が早くなり、筆の寿命を縮めることになります。

同じ筆を数本買って、ローテーションして使うことをオススメします。
その間に洗った後に日陰干しする期間を十分設けることが出来るため、寿命を延ばすことにつながります。

筆が割れる原因

筆が割れる原因はいろいろありますが、おおよそ次のことが挙げられると思います。

  1. 筆をしっかり洗えていない
  2. 書道の技術的な問題
  3. その他

書道の練習の後、書道筆の根元に溜まった墨を、中の方までしっかりと洗えていない。
これが、筆が割れる最も多い原因です。

書道筆を洗うのは、とても面倒で時間のかかる作業です。
慣れない人は、いつになったら墨が流れ出なくなるのかと途方にくれることもあると思います。
ですが、根気よく、丁寧に時間をかけて洗ってあげてください。
筆を十分に洗っていないと、根っこのところに墨が入り込みます。
筆の毛の奥に入り込んだ墨は、中で固まることで根元が膨らみ、ラッキョウのような姿になります。
根元が硬くなってしまうと、筆の周りの毛が根元のほうに引っ張られ短くなり、円錐形が崩れてしまいます。結果、毛先が割れたようなカタチになります。

もし機会があれば、ぜひ筆づくりの見学に行ってみてください。
1本の書道筆が出来るまでに、職人さんがどれほどの手間をかけて筆をつくっているのか。
その工程を見れば、きっと自分の筆を大事に出来ると思います。

筆の職人さんは、自分で使用する道具はしっかりと手入れされています。
書道に使う大切な道具ですから、職人さん同様に、いつでも良いパフォーマンスが出来るような心構えが大切になります。

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