人のために写経しているとき、脳はどうなっているか?
写経しているとき、人の脳はどうなっていると思いますか?
前回のブログでは、「般若心経の写経に集中すること」と「心」への影響について書かせていただきました。
個人的なメールで、ブログの感想や写経をはじめてみたいなどの感想をいただき、大変ありがたかったです。
写経の効果・効用
さて、2回目のテーマは「祈り」です。
このテーマをもとに写経の効果・効用について考えてみたいと思います。
写経をする目的は、人それぞれいろいろありますが、願い事の成就「祈り」のために写経することがあります。
自分や他人の目標達成やお身内のご病気の回復を願うなど。
ここでは利他の精神について、他者をおもって行う写経に注目してみようと思います。
脳科学者 中野信子さんのご著書「脳科学からみた「祈り」」によると、祈るという行為は、他人だけでなく、自分の心も満たしてくれるのだそうです。
写経中に脳で起こっていること
病気を患っている友人に対して「病気が良くなりますように」と祈りながら写経すると、脳は自分がよい行い をしていると判断します。
そして、ドーパミンやベータエンドルフィン、オキシトシンなどの多幸感や快感をもたらす物質が脳内に分泌されます。
結果的に人のために写経した人は、自分自身も幸せを感じることができるのです。
このような脳内の仕組みは「ヘルパーズ・ハイ」ともよばれており、人のために行う写経など、人を助けようとする行為は、脳内の快感物質を生み出します。
「与えるもの」は「与えられる」と言いますが、人のために行う行為は、結果的に自分に返ってくるということです。
他人の不幸を願うとどうなるか
ちなみに人の不幸を願うときは、快感物質は発生しません。
この場合、コルチゾールというストレスホルモンが脳内で生成され、イライラの感情が芽生えてしまうそうです。
たとえば人の悪口を言う行為は、一瞬は気がまぎれるかもしれませんが、結果的には自分を傷つける行為だということです。
今回のテーマからは外れますが、その他の写経の効用として、病気の改善や治癒にも効果があると言われています。
ストレスが高まるとアドレナリンなどが分泌され、高血圧や免疫力低下を引き起こしますが、 人のために祈りながら写経すると、オキシトシンが脳内で分泌され、免疫力が高まる効果があるのだそうです。
以上、「人のために写経をすると、脳内はどうなっているか?」というテーマで、写経について書いてきました。
本来的には、写経は効果・効用を求めるものではありません。
ですから、写経で願い事を叶えようとするのは、写経の意義からは外れるのかもしれません。
出来れば無我・無欲の上で写経に取り組むべきだと思います。
しかしながら、日常生活を営む上で、どれだけの人がそのような心でいられるでしょうか。
写経しているわずかな時間は、人のためにお役に立ちたいと思って筆をとってみる。
その時間が少しでも長くなるように努めることで、人間としての喜びを得られるのなら、素晴らしいことではないでしょうか。
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