玉泉帖とは

書道
投稿日:2021年6月8日
玉泉帖

玉泉帖とは

  1. 玉泉帖について
  2. 玉泉帖の特徴
  3. 玉泉帖の釈文

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玉泉帖について

筆者は、平安時代の書の名人である三蹟の1人である小野道風(おののみちかぜ)
料紙は楮紙
縦27.6×長さ188cm

書き出しが「玉泉南澗花奇恠~」と書いているので「玉泉帖」とよばれています。

玉泉帖の特徴

白楽天の詩を書写したもので、楷書・行書・草書で書かれています。
玉泉帖の書法には、王羲之懐素顔真卿空海橘逸勢などの書法が垣間見えます。

玉泉帖の最大の魅力は、大字・小字・太い点画・細い点画・潤渇を交えた自由奔放な書きぶりで、変化の妙を見ることができるところです。
この点が小野道風の書でも「智証大師諡号勅書」・「屏風土代」とは趣きが異っており、小野道風自身もかつてない斬新な書風であると語っています。

玉泉帖の釈文

玉泉の南澗(なんかん)、花奇怪なり   花叢(かそう)に似ずして火堆(かたい)に似たり。
今日多情、只(ただ)我到る、毎年故無く誰が為にか開く。
寧(むし)ろ辞せんや辛苦して三里行くを、更に与(とも)に留連(りゅうれん)して両盃を飲まん。
猶(なお)、一般孤負(いっぱんこふ)の事有り、歌舞管絃を將(もっ)て来らず。

早夏、平泉に游んで廻(かえ)る
早夏日初めて長く、南風草木香(かんば)し。
肩輿(けんよ)、頗(すこぶ)る平穏、澗路(かんろ)甚だ清涼。
紫蕨(しけつ)行看(ゆくゆくみ)て採り、青梅(せいばい)旋(や)や摘みて嘗(な)む。
飢(うえ)を療し兼ねて渇を解く、 一醆(いっさん)の冷雲漿(れいうんしょう)。

天竺寺に宿して廻る
野寺三宿を経(へ)、都城、復(ま)た一たび還(かえ)る。
家は仍(なほ)婚嫁を念じ、身は尚官斑に繫(かか)る。
蕭灑として秋水に臨み、沈吟して晚に山を下る。
長閑猶未(なおいま)だ得ず、日を逐(おっ)て且(かつ)長句を献ず。

侍中晉公東洛に到らんと欲す、先(ま)ず書問を蒙って龍門に宿せんことを期す。往を思い今を感ず。すなわち長句を献ず。
昔は興化池亭の送を蒙(こうむ)り 今は龍門潭上の期を許す。
聚散(しゅうさん)但(た)だ慙(は)ず、長く念わるるを、 榮枯安(いずく)んぞ敢へて相思を道(い)わん。
功成り名遂げて来ること已(すで)に久し、雲に臥(ふ)し山に游びて去ること未だ遅からず。
聞説(きくならく)風情と筋力と、只だ初て蔡州を破りし時の如しと。
是(これ)を以って褒貶(ほうへん)を為すべからず、例体(れいたい)に非(あら)ざるに縁る耳(のみ)。

玉泉南澗花奇怪  不是似花叢似火堆
今日多情只我到  毎年無故為誰開
寧辭辛苦行三里  更與留連飲兩杯
猶有一般孤負事  不將歌舞管絃來

早夏游平泉廻
夏早日初長 南風草木香
肩輿頗平穩 澗路甚清涼
紫蕨行看採 青梅旋摘嘗
療飢兼解渇 一醆冷雲漿

宿天竺寺廻
野寺經三宿 都城復一還
家仍念婚嫁 身尚繫官斑
蕭灑秋臨水 沈む吟晚下山
長閑猶未得 逐日獻長句

侍中晉公欲到東洛 先蒙書問 期宿龍門 思往感今 輒獻長句
昔蒙興化池亭送  今許龍門潭上期
聚散但慙長見念   榮枯安敢道相思
功成名遂來已久   臥雲山游去未遲
聞說風情與筋力 只如初破蔡州時
以是不可為褒貶  縁非例體耳

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