関戸本古今集の特徴は?

書道
投稿日:2013年11月9日
関戸本古今集

関戸本古今集(伝藤原行成)って?

  1. 関戸本古今集の名称の由来
  2. 関戸本古今集ってどんな古筆?
  3. 関戸古今集の特徴
  4. 関戸古今集の見どころ
  5. 関戸古今集の臨書にあたって
  6. 関戸本古今集にオススメの臨書用紙・料紙・筆

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関戸本古今集の名称の由来

関戸本古今集は、古今和歌集の写本として、最も有名なものの1つです。
もともと綴葉装の冊子2冊でしたが、現存するのは、全体の5分の1ほどです。そのうちの四十八紙が、明治15年(1882年)に、加賀の前田家から名古屋の素封家・関戸家に伝わり、それらを「関戸本」と呼ばれるようになりました。

約30年ほど前まで、名古屋の関戸家に糸綴の冊子本に古今集を書写した不完全な本が伝えられていました。
その後、さらに相当部分が分割されましたが、江戸時代以前に切れ切れになって残っていたものを全て含めて関戸本古今集と呼ばれています。

関戸本古今集ってどんな古筆?

関戸本古今集は、平安時代において大変レベルの高い古筆です。
料紙の色合いと線との兼ね合い、粘りづよい線質の素晴らしさ、連綿技法の巧妙さ。
本当にすばらしい古筆です。

料紙は、雁皮を原料とした和紙・鳥の子紙(縦21.1cm×横17.4cm)で、濃淡の異なる緑・紫・茶・黄色に染められた上品なものです。
色の濃淡による明暗によって、書写表現も変わっています。

古来より藤原行成の筆によるものとされてきましたが、現在では、藤原行成よりも後の時代、11世紀後半の能書家による書写と推定されています。

関戸古今集の特徴

関戸本古今集の特徴は、小ぶりな文字が重なり合うように書き連ねられた緻密さにあります。
今でこそ仮名のお手本に欠かせない古筆の1つとされていますが、その魅力が広く知られたのは、意外と最近になってからのことなのです。

字形は女手(おんなで)を主として、草(そう)を交え、片仮名もあります。
字形は概ね整っていますが、運筆は緩急抑揚に富んで変化があり、形よりも変化を重んじた書と言えます。
大胆で過剰な変化は軽薄さにつながりますが、関戸本古今集の筆者は、バランスを取りつつ自在に変化を表現しています。

執筆法に関しては、俯仰法を巧みに用いています。
俯仰法(ふぎょうほう)とは、筆運びをするときに、筆管をもつ手の掌を上に向けたり下に向けたりして書く方法で、筆の進む方向に筆を倒すようにすると、右に引くとき掌は上向き、左に引くときは掌は下に向きます。
関戸本古今集の筆法は、筆管を手前に倒すことによる特殊性があります。
筆管を手前に倒すと、縦画は細めになり、横画は自然に上部に毛先が通り下に筆腹が通ります。
これだけであれば、一律で無変化になりますが、俯仰法を組み合わせて手首の回転を使って、毛先の方向を変えます。

関戸古今集の見どころ

細密なリズムと太細の変化

  1. リズムに乗って、筆が運ばれていますが、運筆は慎重で乱れがありません。
  2. 繊細な文字で、文字間をやや詰め気味に脈々と書かれていますが、その細かな仕事の中にも、リズムや太細の変化をしっかりとつけている

関戸古今集の臨書にあたって

  • 1首2行または3行
  • 筆圧の変化と息の長い連綿
  • 漢字・草仮名・片仮名も交用

関戸本古今集は、達筆で速く、筆の動きがきびきびとあらわれ、にぎやかなリズムがあります。
加えてねじったり、緩急がある線をだすことで、すがすがしいだけでなく、大胆で熱情のこもっている表現になっています。

筆は、先のよく利く中鋒か長鋒の小筆を使ってみてはいかがでしょうか。
弊社取り扱いの小筆では、くさまくら黒軸面相がおすすめです。

筆の構えは、直立に近い側筆で。

字形は長くし、線は軽やかで生き生きと書きます。

連続的に書く時は、抑揚をつけ、リズミカルに書き流していきます。
筆先をねじることで、線の強さをだします。

関戸本古今集にオススメの臨書用紙・料紙・筆

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