北魏の楷書 龍門造像記とは?

書道
投稿日:2020年4月22日
北魏の楷書 龍門造像記

北魏の楷書 龍門造像記とは?

龍門造像記は、六朝楷書を代表する古典です。
造像記とは、仏像を造った人が、その祈りの文や造像の由来を仏像のそばに刻したものをいいます。

龍門造像記の書風の特徴

龍門造像記は、北魏・隋・唐・五代・宋の時代の3680品にものぼる造像記を指しますが、ここでは龍門造像記の代表的な初期の龍門二十品に絞ってご紹介します。
龍門造像記は、龍門山の洞の内壁に仏像を刻み、かたわら刻された銘文です。

書法・運筆は、方筆です。
鋭角的な三角形状の線、右上がりの力強い結体、構成が注目されます。
(中には円筆の柔らかな線質の造像記もあります)
龍門二十品の書風の特徴は、概ね以下の6グループに分けることが出来ます。

1.鋭く強い点画で、右上がりの力強い結体が特徴。方筆の代表的なもの

牛橛造像記・始平公造像記・魏霊蔵薛法紹造像記・楊大眼造像記
孫秋生等造像記・高樹造像記

2.方筆ではあるが、点画にうねりの加わったもの

一弗造像記・司馬解伯達造像記・比丘道匠造像記・孫秋生等造像記
比丘恵感造像記・馬振拝造像記・広川王賀蘭汗造像記

3. 1と2の特色がありながら、転折部分に円みをもたせたもの

牛橛造像記・北海王元詳造像記・北海王国太妃高造像記
広川王祖母太妃侯造像記・比丘法生造像記

4.円筆で、熟練の味わいのあるもの

安定王元燮造像記・斉郡王祐造像記

5.技巧的ではないが、古風な味わいで隷書の面影の顕著なもの

鄭長猷造像記

6.柔らかみのある行書的な書風のもの

比丘尼慈香造像記

龍門二十品/りゅうもんにじっぽん

  1. 長楽王丘穆陵亮夫人尉遅造像記(495年) 別名:牛橛造像記(ぎゅうけつぞうぞうき) 龍門二十品の中でも最も評価の高いものの1つで、肉太な線質で、側筆のような力強い運筆。筆法は剛健、結体はスケールが大きい。転折や収筆に北魏書の特徴的な筆意がみられます。
  2. 北海王元詳造像記(498年)ほっかいおうげんしょうぞうぞうき
  3. 鄭長猷造像記(501年)ていちょうゆうぞうぞうき 欠字・刻しかけの文字あり。書風は素朴で、造形的には愛嬌があり面白い
  4. 高樹造像記(502年)こうじゅぞうぞうき
  5. 広川王賀蘭汗造像記(502年)こうせんおうがらんかんぞうぞうき ゆったりとした文字の配置。左に傾斜する結体が特徴。三角形の点画(方筆)。転折部分に円み(円筆)
  6. 広川王祖母太妃侯造像記(503年)こうせんおうぼたいひこうぞうぞうき
  7. 安定王元燮造像記(507年)あんていおうげんしょうぞうぞうき 線は太細の変化に富み力強い。右肩の転折部分に円みのある円筆
  8. 比丘尼慈香造像記(520年)びくにじこうぞうぞうき 線の振幅太細の差が大きい。行書のような書体が入り混じる。
  9. 北海王国太妃高造像記(不明)ほっかいおうこくたいひこうぞうぞうき 書風は北海王元詳造像記に似ています。
  10. 比丘道匠造像記(不明)びくどうしょうぞうぞうき 収筆をはね上げる隷法が特徴的な方筆。行書が混じっている
  11. 孫秋生等造像記(502年)      龍門四品そんしゅうせいぞうぞうき
  12. 一弗造像記(496年)             龍門四品いちふつぞうぞうき
  13. 司馬解伯達造像記(477年~499年)かいはくたつぞうぞうき 品格のある書風
  14. 洛州刺史始平公造像記(498年)別名:始平公造像記(しへいこうぞうぞうき) 結体はどっしりとしています。筆意は厚みがあって鋭いです。
  15. 楊大眼造像記(不明)           龍門四品ようだいがんぞうぞうき 右上がりの力強い結体
  16. 魏霊蔵薛法紹造像記(不明)龍門四品ぎれいぞうせっぽうしょうぞうぞうき    洗練され、整った字形。横画に収筆部分を右上にはね上げる隷法による筆跡が見られます。                              
  17. 比丘恵感造像記(502年)びくえかんぞうぞうき
  18. 比丘法生造像記(503年)びくほっしょうぞうぞうき 書風は北海王元詳造像記・北海王国太妃高造像記に似ています
  19. 斉郡王祐造像記(517年)せいぐんおうげんゆうぞうぞうき
  20. 馬振拝造像記(503年)ばしんぱいぞうぞうき

牛橛造像記

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