大盂鼎とは?

書道
投稿日:2025年11月12日
大盂鼎

大盂鼎とは?

  1. 大盂鼎の読み方
  2. 大盂鼎の内容
  3. 大盂鼎の特徴
  4. 大盂鼎が掲載されている古書

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大盂鼎の読み方

大盂鼎は「だいうてい」と読みます。

大盂鼎の内容

大盂鼎は中国考古学史において現存する青銅器の中で最も重要なものの1つです。
西周時代、紀元前10世紀頃に制作された青銅製の鼎であり、周王朝の社会秩序などを知る史料です。
鼎は古代中国において、宗廟の祭祀や権威の象徴として用いられました。なかでも「盂鼎(うてい)」は、ある貴族・盂(う)氏が先祖を祀るために鋳造したものとされており、その中でも大盂鼎は、その名の通り大型です。

大盂鼎が特に注目される理由は、その内側に刻まれた銘文にあります。鼎の内壁には、周康王が盂氏に下した勅命と、国家の統治理念を記した291字もの銘文が刻まれています。
内容は、康王が祖先の徳を称え、忠誠と正義を重んじる政治を勧めたものであり、西周王朝の封建秩序の核心を理解するうえで貴重な資料となっています。この銘文は、単なる賞賛の言葉ではなく、当時の王権と諸侯の関係、官僚制度のあり方、さらには儒教的価値観の萌芽を示すものとして、後世の思想史にも大きな影響を与えました。

美術的な観点からも大盂鼎は傑作とされています。
器表には雷紋(らいもん)や饕餮(とうてつ)文と呼ばれる文様が精緻に施され、左右対称のデザインは古代中国人の美意識と宗教観を体現しています。これらの装飾は単なる装飾ではなく、神聖な力を宿す象徴とされており、祭祀の場で王権の正統性を示す役割を果たしていました。

大盂鼎は現在、中国・北京の中国国家博物館に所蔵されており、その壮麗な姿は今も多くの来館者を魅了しています。青銅の冷たい輝きの中には、三千年前の人々の祈りと理想が刻まれています。大盂鼎は、単なる古代の遺物ではなく、「ことばを刻んだ歴史書」として、今も静かに語りかけてくるのです。

高さ36cm。銘文は19行、各行15文字、291字です。
臣下に対して位や封建を与える際に下した文書(辞令書)です。

大盂鼎の特徴

大盂鼎は均整がとれており、筆画が太く、曲線的で力強い点が特徴書体です。線が太く堂々としていながらも、どこか柔らかさと躍動を併せ持ちます。
線の抑揚と空間の均衡において極めて高度な芸術性を備えています。
「大盂鼎」など青銅器に鋳込まれた中国の古代文字である金文は、象形の要素を強く残し、現代人を惹きつける絵画的な魅力をもっています。

大盂鼎が掲載されている古書

中国法書選1 甲骨文・金文
書跡名品叢刊 119 金文集 2 西周

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