道因法師碑とは
道因法師碑とは?
道因法師碑(どういんほうしひ)は、唐時代の楷書です。
663年の刻で、大きさは高さ302cm×幅132cm。
碑文:34行で各行73字。
李儼(りげん)が撰文し、欧陽通が書きました。
現在は西安碑林に保存されています。
多宝塔の僧である道因法師の頌徳碑(徳をたたえる碑)です。
道因法師碑の特徴
書風は父の欧陽詢の楷書を学び、隷法を交え、風骨があります。
父の欧陽詢よりも起筆・収筆・転折を誇張しており、六朝楷書風です。
鋭い起筆と八分隷を連想させるような横画の収筆に特徴があります。
字形は、安定しており構成に強弱があります。
清代の何紹基は、道因法師碑に関して、
「欧法を学ぶには、まずこの碑から入るべきで、いきなり九成宮醴泉銘や化度寺碑から習うのは、帆をかけずに海を渡るようなものである」
と言っています。
道因法師碑の作者 欧陽通とは?
欧陽通(おうようつう)は、中国初唐の書家です。
欧陽詢の晩年の第4子で、欧陽詢から直接書の指導を受けられず、母から欧陽詢の書法を授かりました。道因法師碑は欧陽通の代表作ですが、品格の高さでは欧陽詢には達しません。
父の欧陽詢を大欧陽、欧陽通を小欧陽と言われています。
欧陽通の作品は「道因法師碑」(どういんほうしひ)と「泉男生墓誌銘」(せんだんせいぼしめい)のみです。
盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3