第14回目の書道専門店のエピソードストーリーは、色紙です。
色紙には、大きさやデザインが多種ありますが、具体的にどのようなものがあるのか。
色紙に書く上でのルールはあるのか。
書道専門店でのスタッフとお客さんのやりとりを通して、色紙のことをご紹介いたします。
書道短編小説 書道用色紙篇
色紙選び
インターネットを使ったお仕事をさせていただいて早15年ほどに
40も半ばを過ぎて、
いつまでたってもパソコンスキルが向上しないのは、その考えに起因していることが自分で分
そんなことを頭のどこかで考えながら、粛々と仕事をしていた。
そんな時、お見世のドアが開いた。
ショートヘアーで40代くらいの女性、おそらくはじめてのお客さんだ。
「お伺いしましょうか?」
店舗にご来店いただくお客様の道具の選び方には、2通りある。
スタッフに相談して、色々知った上で商品を選びたい人と、
今回のお客さんは、スタッフに聞いて決めたいお客さんのようだ。
なぜそう思ったかは、よく分からないけれど、そう感じたからお声掛けさせていただくことにした。
「退職祝いに書を贈ろうと思っているんですが、
とりあえずネットで調べたら、堺市に書道の専門店があることを知って来てみたんです。」
「ありがとうございます。
いつ頃、お祝いを贈られるんですか?」
「それがあまり時間が無くて。」
そう言って、お客さんは肩をすくめた。
色紙を退職祝いに贈る
「それでは額装する必要が無い色紙を贈られてはどうでしょう?
額装にかかる時間分を短縮出来て、価格的にも魅力です。
色紙を飾るには、色紙用のお軸やカジュアルな紙製の色紙掛け、額縁などお部屋にあわせて選ぶことも出来ます。」
一般的に色紙は、サインや寄せ書きなどに使われることが多く、
書道用に使用する色紙は、オールシーズン需要があり、
「確かに時間も掛からないし、気軽に贈れますよね。
どんな色紙があるんですか?」
少し色紙に興味を持っていただけたようだ。
色紙のデザイン・紙質
「色紙の紙質には、表面に画仙紙や奉書紙などの紙を貼ったものや絹布を貼ったものがあります。
色紙のデザインは、
色や柄もさまざまなものがありますね。」
そう説明しながら、色紙の棚までご案内する。
「わ〜 、いろんな色紙があるんですね!この桜の柄なんかいいかも。」
もみじ、梅、竹などの柄が陳列された色紙棚から、
色紙は、1枚200円程でさまざまな種類から選べる魅力がある。
色紙に書くメッセージ
「相手の方の好きな言葉を聞いて書いて差し上げたら、
「色紙には、どんな言葉を書くことが多いんですか?」
「おめでたい言葉や人生訓になる言葉、お祝いのメッセージ、
そう言って、「色紙に書くおめでたい言葉集」をプリントアウトして差し上げた。
ネット上で運営している色紙専門店の色紙屋に「色紙に書くおめでたい言葉集」というコーナーを設けているのだ。
「他には、海外の方にお名前を漢字に変換して、色紙に筆書きしたものをプレゼントする方もおられるようで、反応もよいみたいです。」
「サイズが違う色紙もあるんですか?」
「はい、一般的な大きさの色紙は、大色紙と言います。
大色紙以外にも大小いろいろな色紙がありますよ。」
そう言って、隣の色紙棚を案内した。
色紙のサイズ
一般的な色紙:
大色紙
小さい色紙 :
寸松庵色紙・小色紙・豆色紙・カルタ判色紙・ハガキ判色紙
大きな色紙 :
F4色紙・F6色紙・F8色紙・F10色紙・F12色紙
「色紙は、サイズもいろいろあります。
大色紙よりも小さい色紙には、寸松庵色紙や小色紙、豆色紙など。
大色紙よりも大きい色紙は、F4~F12サイズくらいまであります。」
「結構あるものなんですね。」
お客さんの中で、ほぼ色紙に決まったようで、メモ書きしながら、矢継ぎ早に質問をしてこられる。
「色紙に書く上で決まりごとってあるんですか?」
色紙に書くにあたってのルール
「堅苦しく考える必要はないと思いますが、
例えば上下の区別です。
色の濃淡のあるものは、濃い方が上ですし、雲形や霞形模様は、
青や紫は、空を連想させる色ですから、この部分が上になります。
あと砂子ってご存知ですか?」
「あの細かな金色や銀色が紙面に散っているものですよね。」
「そうですね。その砂子の場合は、
色でいうと、金色銀色があれば、金が上になります。
補足の説明としては、模様が入っている色紙の場合、
「では、これで試してみようかな。」
手に取られたのは、
お祝いに贈るにはピッタリの色紙だ。
贈る相手の方は、どんな反応をしてくれるんだろう。
想像すると、自然に顔がほころんだ。
色紙のデザイン:
切継・金雲・遠山・玉・若菜・小花・秋草・ゼブラ・パール・レインボー・露芝・水紋・天地ぼかし・どんす・月・桜・梅・もみじ・竹
e.t.c
色紙の紙質:
機械漉画仙紙・手漉画仙紙・奉書紙・鳥の子紙・コットン紙・正絹
色紙に書く上でのルール
上下の区別
- 濃淡別 色の濃い方が上
- 模様別 雲形や霞形模様は、
空間の広い方が上 - 色別 青色や紫色が上
- 金と銀の配色 金が上
- 砂子有無 広く大きく散らしている方が上
(同じくらいの場合は、空間の広い方が上)
書く(描く)のを避けるべき箇所
- 色が濃いところ
- 花の芯
- 人・動物の目の部分
書道ショートストーリー 第1回目 プロローグ
書道ショートストーリー 第2回目 羊毛の穂先短い書道筆
書道ショートストーリー 第3回目 おすすめの筆ペン
書道ショートストーリー 第4回目 淡墨の作り方
書道ショートストーリー 第5回目 落款印(雅号印)をオーダーする
書道ショートストーリー 第6回目 針切の臨書に適した小筆
書道ショートストーリー 第7回目 細光鋒の長い羊毛書道筆
書道ショートストーリー 第8回目 かな条幅の書道筆
書道ショートストーリー 第9回目 仮巻表装を依頼する
書道ショートストーリー 第10回目 額装された書道作品
書道ショートストーリー 第11回目 書道筆の洗い方
書道ショートストーリー 第12回目 半紙等の保存方法
書道ショートストーリー 第13回目 書道料紙を選ぶポイント
書道ショートストーリー 第14回目 色紙を書道用に使う
書道ショートストーリー 第15回目 竹筆の使い方 書道特殊筆
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