米芾(べいふつ)ってどんな書家?

書道
投稿日:2020年5月23日
米芾(べいふつ)の書

米芾(べいふつ)ってどんな書家?

  1. 米芾(べいふつ)という書道家
  2. 米芾の特徴
  3. 米芾の代表作
  4. 米芾の臨書 書き方のヒント

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米芾(べいふつ)という書道家

米芾は、中国の北宋の書家であり、画家・収蔵家・鑑賞家・文学者でもあります。
初名は黻(ふつ)。字は元章(げんしょう)です。
官僚としては不向きで、書画で活躍した人です。
書では、蔡襄・蘇軾黄庭堅とともに宋の四大家と言われます。

初め顔真卿から入り、欧陽詢を学びますが、最も学んだのは褚遂良のようです。
苕渓詩巻」からは、王羲之の蘭亭叙、褚遂良の枯樹賦からの影響を感じる部分があります。
隷書は「劉寛碑」を、篆書は「詛楚文」「石鼓文」を特に学んだようです。

米芾(べいふつ)の特徴

古法との接点を逸脱しない確かさを備えつつ、変化の妙があり、痛快な筆致であるところに米芾の書の魅力があります。
独特の書法で、激しい気性・ふてぶてしい・しつこい位に脂ぎった感触と評されることがありますが、最晩年の書・虹県詩巻などは、すっかり落ち着き、若い頃とは違った趣きになります。

米芾(べいふつ)の代表作

以下の作品には、独特の米法がみられ、黄庭堅や蘇軾が高く評価しています。
蜀素帖」(しょくそじょう)  38歳時の行書作品
苕渓詩巻」(ちょうけいしかん)同年に書かれた行書作品で、五言律詩6首を35行で書いた詩巻
「楽兄帖」 (らっけいじょう) 45歳ごろに書かれた行書で、同僚である朱長文にあてた手紙

50歳の晩年になると、細身ですがすがしく軽やかになります。
最晩年の以下の作品では、筆意(筆運びの気構え)は落ち着き、気が締まるほどおもおもしい趣きをたたえます。

虹県詩巻」(こうけんしかん)行書で1行に2字~3字書き。米芾最晩年の傑作。
「崇国公墓誌」 57歳の亡くなった年の書

その他の作品は、群玉堂帖・余清斎帖・宝真斎帖などの中に有名なものがあります。
著作は、「宝章待訪録」のほか、「書史」「画史」「硯史」、書論の海岳名言などがあります。

米芾(べいふつ)の臨書 書き方のヒント

米芾は、素晴らしい作品と名を世に残し、現在に至ります。
その存在価値に対する理念がどのようなものなのか、米芾の書で有名な「蜀素帖」の中に臨書する上での大切な書造形に対するヒントがあると考えます。

まず米芾は、1つの文字それぞれにバランス感覚を上手く駆使してまとめている点がたいへん素晴らしいです。
単独体の文字だけでなく、偏と旁の文字構造でも前傾姿勢に保つことによりバランスを保っています。
例えば、上半分(頭部)の余白を広くとって、下半分で引き締める。
文字の中心に縦画がない場合は、上部の中心と下部の中心にずれを生じさせて、右上がりのバランスを保ちます。
字形により上部を小さく構える場合は、下部の右下を張り出したり、右に寄せたりしてバランスを保ちます。
逆に上部が大きく構える場合は、上部の左端を左に突き出し下部を引き締め、バランスをとります。

文偏と旁の構造の場合も、基本的に前傾姿勢によって動きの変化を大きくしています。(書は動きの芸術です)
米芾の書は、右上がりが強いため、しっかり底辺を下げてバランスを保つ方法をとっている場合があります。
絶妙で優れたバランス感覚なところを、臨書することによって学ぶ部分は多いと思われます。
米芾の書は、左右に揺れて真っ直ぐに描かれていません。
臨書する時に気を付けないといけないことは、流れの中で自然と修復され、文字群としてバランスをとり、軌道修正されながら描かれているところも見逃してはいけない部分ではないでしょうか。

米芾の書は、あらゆる古法に精通した上で、筆遣いが多彩で、工夫と練達のほどがみえる点に魅了されます。

蜀素帖臨書のポイント

  • 露鋒の中に蔵鋒を加味する
  • 抑揚をきかせたバランスよい運筆

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